DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)におけるリード獲得は、有料で集める方法と無料で集める方法に大別できます。この記事では、有料でリードを集める施策の代表格である「広告」について学ぶことができます。
広告を打つにはある程度まとまったお金をかける必要がありますので、下手な広告を打ってお金を無駄にはしたくないですよね。そのために、この記事で正しい広告の運用方法を学んでみてください。
目次
リードジェネレーションには「有料」と「無料」の2種類がある
リードジェネレーション(見込み客を集める方法)には大きく有料と無料の2つの方法があります。
有料で集める方法には、広告やアフィリエイト、マーケットプレイス(Udemyなど)などがあります。その中でも、最も早く見込み客を集めることができるのが広告です。
アフィリエイトやマーケットプレイスは、成約後に売上の一部を支払うという仕組みです。後からお金を払えばいいのでリスクが低いといえます。しかし、完全に他人任せの施策になるので、自分自身でコントロールできませんし、時間がかかります。
そのため、早くリードを集めたいと思ったら、広告を打つのがもっとも効率が良い方法なのです。
無料で集める方法は、ブログやポータルサイトを活用したコンテンツマーケティング(インバウンドマーケティングやSEOとも)と呼ばれる方法です。
それでは、広告とコンテンツマーケティングではどのような特徴の違いがあるのでしょうか。
広告とコンテンツマーケティングの違い
広告とコンテンツマーケティングを使い分けるうえで重要な考え方は、お金をかけるか時間をかけるかの選択をするということです。
この考え方を理解するために、それぞれのメリットとデメリットを考えてみましょう。
まず広告ですが、メリットはすぐにリードが集まるということです。デメリットは広告費がかかること。シンプルですね。一方、コンテンツマーケティングのメリットは無料でリードが集まることです。そしてデメリットは時間がかかることです。
つまり、広告はお金をかけて時間を節約していて、コンテンツマーケティングは時間をかけてお金を節約しているのです。この2つはトレードオフの関係なんですね。
そのため、どちらをメインで活用するかはあなたの状況次第です。十分な資金を持っているなら、広告を打ってすぐにリードを集めることができます。十分な資金がないのであれば、時間をかけてブログを育てたりして、無料でリードを集めるのが合っているでしょう。
しかし、ベストな選択は両方行うということですね。広告費をかけられるなら、まず素早くリードを集めてビジネスを回していきます。それと平行してオウンドメディアを育てていき、将来的には無料でコンスタントにリードが集まってくる仕組みを作っていくのがいいと思います。
オンライン広告を活用するのがベストな選択
広告と一口にいっても、さまざまな種類があります。従来はテレビやラジオCM、新聞や雑誌広告などの4大マス広告が主流でした。しかし、現在はオンライン広告が最も成長している広告です。
上の図を見てもらえればわかると思いますが、4大マス広告は全て成長が止まっています。しかし、オンライン広告だけ右肩上がりで成長し、2017年の時点ではテレビについで2番目の規模を持つ広告媒体となっています。いずれ近いうちにテレビの規模を追い越すでしょう。
それに、オンライン広告は4マス広告と違って、小さく始めることができます。そのためボクたちのような小規模事業者にとっては最適です。
また、オンライン広告はリアルタイムで計測ができるので、「計画」「実行」「評価」「改善」のPDCAサイクルが回しやすく、ダイレクトレスポンスマーケティングにはもってこいの広告媒体です。
そのため、広告といえば、まずオンライン広告のことだと考えていただければと思います。
しかし、オンライン広告にもさまざまな種類があります。検索連動型のリスティング広告や、バナー広告に代表される純広告、SNS広告、動画広告、メール広告など、媒体もさまざまです。
その中で、まず最初におすすめしたい広告は、PPC広告とメルマガ広告です。
おすすめはPPC広告とメルマガ広告
PPC広告とはPay Per Clickの略で、クリック課金型の広告のことです。つまり、一回クリックされる毎に広告料を支払うというものです。これは、反対にクリックされなければ費用が発生しないので、費用対効果が高く、リスクの低い広告だといえます。
近年クリック単価が上昇しているというデメリットもありますが、広告運用のメインはPPC広告になるでしょう。
メルマガ広告とは、メール配信型広告のことで、他人のメールマガジンに自社の広告を載せてもらうといったもの。あなたのビジネスと相性のいいメルマガ発行者に広告費を支払って、メール内に広告を入れてもらうのです。
メルマガ広告のメリットは、メールを配信した直後に反応が取れるということが挙げられます。また、質の高いメルマガを見つけられれば、PPC広告より低いクリック単価でリードを集められることもあります。デメリットはクリックされなくても費用がかかることです。
例えば、あなたが英語教材の広告を出すことを考えているとすれば、英語学習関連のメルマガ読者にメール広告を流せば、反応率が高くなると考えられます。
それぞれメリットとデメリットがありますが、最初に活用する広告としては、この2つがおすすめです。PPC広告に関しては、この先もずっとメインの広告手法となっていくでしょう。
PPC広告を理解する|3種類の広告方法
それでは、PPC広告について詳しく解説していきます。PPC広告には大きく3種類あります。それは、検索連動型広告とコンテンツ連動型広告、SNS広告の3つです。
検索連動型広告とは、ユーザーが検索エンジンに入力したキーワードに関連する広告を、検索結果に掲載できるものです。
Googleアドワーズでは検索ネットワーク、Yahoo!プロモーション広告ではスポンサードサーチと呼ばれます。
例えば「ニキビケア」と検索したときに、下の図のように、あたかも検索結果のように広告が表示されます。これらが検索連動型広告です。
コンテンツ連動型広告とは、検索サイト以外のニュースサイトやブログなどに、サイトの内容やユーザーの興味などと連動して広告を掲載できるものです。
GoogleアドワーズではGDN(Googleディスプレイネットワーク)、Yahoo!プロモーション広告ではYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)と呼ばれます。
例えば、適当にニキビケアに関するブログを見てみましょう。ブログを読んでいると、下の図のように記事の右側に広告が入っているのがわかります。これがコンテンツ連動型広告です。
SNS広告は、FacebookやTwitter、Instagram、LINE、YouTubeなどのソーシャルメディアに掲載される広告のことです。
一口にPPC広告といっても、3つの種類があるんですね。これらの広告は、アプローチする見込み客によって使い分けなければなりません。次はどのように使い分けをしていくのか解説します。
見込み客の意識レベルに合わせて広告を使い分ける
ここでは、見込み客の意識レベルに合わせた広告の使い分けに関して解説していきます。
広告にはさまざまな種類のものがあると書きましたが、見込み客に適切にアプローチしていくためには、見込み客の意識レベルに合わせて広告を使い分けていかなければなりません。
まず、上の図の左側を見てください。見込み客の意識レベルは大きく4つの階層に分かれます。上から、「低関心層」「潜在層」「顕在層」「顧客層」です。
低関心層は商品について知らない、関心がないという人々です。潜在層は商品について潜在的なニーズを持っている人々。顕在層は商品について明確なニーズを持っている人々です。顧客層はあなたの商品を一度でも買ったことがある顧客のことです。
そして、各層で使うべき広告が異なります。
まず、低関心層にはインプレッション課金型広告を用います。インプレッション課金型広告とは、バナー広告に代表される純広告や、動画広告などです。1000回表示されたらいくらというように課金されていく種類の広告です。これは、まずあなたの商品が存在し、どのようなものなのかということを知らせ、低関心層に関心を持ってもらうために打つ広告です。
次に、潜在層にはコンテンツ連動型広告を用います。ブログなどのコンテンツに表示される広告でしたね。具体的には、GoogleディスプレイネットワークやYahoo!ディスプレイアドネットワークです。また、SNS広告も潜在層にアプローチする広告です。
サイトの内容やユーザーの興味などと連動して広告を掲載してくれるので、潜在的なニーズを持った見込み客に訴求することができます。例えば、ニキビケアに関するブログを読んでいるときに、ニキビケアに効く化粧水の広告が出ていればクリックされる確率は高くなりますよね。
そして、顕在層には検索連動型広告を用います。あるキーワードで検索をかけたときに、検索結果のように表示される広告でしたね。具体的には、検索ネットワーク広告(Google)やスポンサードサーチ(Yahoo)になります。
例えば、「ニキビケア 化粧水」と入力して検索する人は、ニキビケアに効く化粧水が欲しいというニーズが顕在化していますよね。そのような顕在層にアプローチするには、検索連動型広告が最適です。
最後に、顧客層には関しては、広告を打つ必要はありません。すでに顧客情報を持っているので、メルマガやLINE@などでリードナーチャリングを行い、セールスをしていく段階だからです。
そして、ボクたちが狙っていく客層は潜在層と顕在層です。
低関心層は、商品に興味を持ってもらうまでに時間がかかるので、これをターゲットにするのは効率的ではありません。最も効率がよいのは顕在層ですが、競合の多くも顕在層を狙っているため、クリック単価が高騰しています。そのため、潜在層も含めて集客していくことで、全体的な見込み客の獲得コストを下げていくのです。
リードを獲得するための効果的な広告運用4ステップ
それでは次に、広告運用のステップについて解説していきます。広告運用のステップは4つに分かれます。
ステップ1では、LP(ランディングページ)を制作します。
ランディングページとは、無料オファーと引き換えに見込み客の名前やメールアドレスなどを取得するページのことです。オプトインページとも呼ばれます。ただ、直接フロントエンドを販売する場合はセールスページになりますね。ここではまず、無料ツールを活用して自分でLPを作っていきます。
ステップ2ではABテストを行います。
ABテストとは、ランディングページをAパターンとBパターンの2パターン用意し、ユーザーを振り分けてどちらの方がより高いCVRを得られるかを検証する方法です。スプリットランテストとも呼ばれます。キャッチコピーなど一部の要素が異なる2つのLPを比較していくのです。
ステップ3ではLPを最適化していきます。
ABテストのデータを元に、各要素をより良いものに修正していき、CVRの高いLPに作り直していきます。
ステップ4ではLP制作と広告運用を外注します。
実は、広告運用は最終的にプロに任せる方がいいのです。なぜなら、ボクたちマーケッターや起業家は、マーケティング施策を行うことが仕事であり、もっと全体像を見なければいけないからです。
また、広告運用には専門的な知識やスキルが求められます。それらを身につけるためには、かなりの時間と経験が必要ですので、広告運用まで自分でやろうとすると効率が悪くなります。そのため、最終的には広告運用はプロに任せるのがベターです。
しかし、最初から丸投げしてしまうと、こちらの意図がしっかり伝わらなかったり、CVRが上がるまでに時間と費用が無駄にかかってしまうので、ベースとなるLPは自分で作っておきます。そして、テストを行いコンバージョンが取れ始めたら、そのLPを元に本格的なLP制作と広告運用をプロに外注するのです。
これらの4つの流れがボクたちが行うべき広告運用のステップです。
LP制作とABテストに最適なツール
それでは、ここではLP制作とABテストを行っていくのに最適なツールを紹介していきます。
LP制作ツール:ペライチ
LPについては、広告運用を外注する前に自社で制作をしておくべきでしたね。そうすれば、外注先の業者に具体的な指示をすることができますし、すでにCVが取れている段階で外注するので、その後の広告運用が効果的なものとなります。
LP制作は無料で使えるツールを活用するといいでしょう。ここでは、ペライチというサイト制作サービスを紹介します。
ペライチのサイトはこちら。「たったの3ステップで ホームページを公開できます」と書いてあります。まず豊富なテンプレートから一つを選び、文章や画像を挿入して内容を作っていきます。そして公開ボタンを押せば、すぐに公開できます。
利用料金は、スタートプランが無料です。スタートプランで十分なので、無料で始めてみてください。
活用事例も豊富に掲載されていますので、ぜひ実際に見てみてください。
ABテストツール:Google オプティマイズ
次にABテストのツールを紹介します。ABテストでは、Googleが提供しているGoogleオプティマイズがおすすめです。
Googleオプティマイズは完全無料で利用できますし、機能も豊富でGoogle広告との連携も可能です。
これらの他にもさまざまなツールがありますので、興味があれば自分でも探してみてください。ここで紹介したもの以外にお気に入りのツールが見つかるかもしれません。
しかし調べるのが面倒くさいというのであれば、ペライチとGoogleオプティマイズは間違いがないと思います。とりあえずはこちらを活用して、LP制作とABテストを行っていきましょう。
アフィリエイトとマーケットプレイスでリードを集める
ここでは、広告以外の有料でリードを集める方法についても少し触れておきたいと思います。
まず、アフィリエイトですが、アフィリエイトとは成果報酬型広告のことです。アフィリエイターに宣伝をしてもらい、商品が売れた場合に売上の一定割合をアフィリエイターに支払うという仕組みです。
成果報酬型なのでリスクゼロで行うことができます。例えば、infotopというアフィリエイトのマーケットプレイスがあるのですが、そこに商品を1万円で掲載して報酬率を88%に設定すれば、実質0円で顧客を獲得できます。
よくプロダクトローンチをやってる人たちは、リード1件につき1,000~3,000円くらい払って見込み客を集めています。つまり、現在は1メールアドレス1,000~3,000円くらいの価値があるということです。
次にマーケットプレイスですが、マーケットプレイスで商品を販売するのも顧客獲得の一つの方法です。現在は、デジタルコンテンツでいえばUdemyが最強でしょう。
Udemyに商品を出品すれば、Udemy側がプロモーションをして商品を販売してくれます。その場合、商品が売れた後にUdemyが売上の一部を講師に支払うという仕組みになっています。つまり、こちらも成果報酬型の広告と同じような役割を果たしてくれるのです。
広告以外にも、アフィリエイトやマーケットプレイスを活用するという方法もあるということを覚えておいてください。とくに、Udemyはこれからもっと成長していき、デジタルコンテンツ市場を席捲する可能性を秘めていると思います。
見込み客は買うことができる
最後に「見込み客は買うことができる」という考え方についてお話します。よくボクたちマーケターは集客、つまり見込み客を集めるという言い方をします。実際にコンテンツマーケティングを活用すれば、見込み客を集めることができます。
でも、前回メールアドレス1件につき1,000~3,000円ほどの価値があると書きました。つまり、見込み客とはお金を払ってでも獲得すべき資産なんですね。そして、広告を打つということは、その資産を買うということでもあるのです。
つまり、見込み客は買うことができます。広告を活用すればすぐに見込み客を集めることができるので、広告は見込み客を買うことと同じなんですね。
ということは、お金を多くかけられる企業がより多くの見込み客を集められるということです。そして、そのお金を生み出すのがCVR(成約率)とLTV(顧客生涯価値)です。広告費を捻出するためにも、CVRとLTVを上げていかなくてはなりません。
※CVRとLTVについての詳細は、以下の記事を参照ください。
でも、これから起業や副業を始めるという人の中には、広告費をかけられないという人も多いでしょう。だから、お金をかけられない人はコンテンツマーケティングで見込み客を集めていくのです。
そのため、この記事の最初の方でも書いたように、広告とコンテンツマーケティングを合わせて行うことをおすすめします。
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