セールスコピーライティングを小説のようにゼロから書き上げていくものだと勘違いしている人がいますが、実は違います。セールスレターには基本の型があるのです。具体的には、セールスコピーは型に沿って4つのパートに分けて書いていきます。
この記事では、セールスコピーの基本の型を理解し、セールスレターを構成する各パートの役割と書き方について学ぶことができます。
目次
セールスレターの基本の型を理解する
まず、セールスコピーには基本の型があるということを知る必要があります。セールスレターは小説とは違います。まっさらな紙にゼロから文章を書いていくといった種類のものではありません。
実は、セールスコピーにはいくつかの決まった型があり、その型に必要な情報を当てはめていくという作業がセールスコピーライティングなのです。
セールスコピーライティングには効果が実証されている型があります。型に従って文章を作成すれば、CVR(成約率)の高いセールスレターを作ることができるのです。
また、セールスコピーの型はいくつかのパーツに分かれています。そのパーツを作るためには情報が必要です。セールスコピーライティングとは、必要な情報を集めてきて、各パーツに当てはめていく作業ともいえます。
つまり、セールスコピーは何もないところから、ゼロから文章を書きあげるといった性質のものではないのです。そのため、セールスコピーライティングに文才は必要ありません。それよりも、すでに効果が実証された型を知ることと、その型に従って情報を集めてくるリサーチ力が重要なのです。
この記事ではセールスレターを構成する基本的な型を紹介しますので、まずは一つの型をしっかり覚えて活用できるようになりましょう。
セールスコピーを構成する4つのパート
それでは、セールスコピーの型の一つのを見ていきましょう。
上の図は、セールスコピーを構成する4つのパートです。上から「キャッチコピー」「ボディコピー」「クロージングコピー」「追伸」となっています。
厳密にいえばキャッチコピーとボディコピーの間に「リード」という短い文章を入れることが多いのですが、基本の型はこの4つですので、ここでは4つのパートに分けて説明します。
それぞれのパートには役割があります。それが右側に書いてある、「Attention」「Interest」「Desire」「Action」です。この4つはAIDAの法則といって、消費者行動のプロセルを表しています。
Attentionは注意、Interestは興味、Desireは欲求、Actionは行動のことです。つまり、見込み客が購買行動を起こすときは、まず注意をひかれ、次に興味を持ち、その後に欲しいという欲求が生まれ、最後に購買という行動を起こします。消費者の購買行動には、このような心理プロセスがあるのです。
セールスコピーライティングの代表的な型はこのAIDAの法則です。そして、それぞれのパートがAIDAの法則と対応しています。
つまり、キャッチコピーで見込み客の注意をひき、ボディコピーで興味を持たせ、商品を欲しいと思わせます。そして、クロージングコピーで行動を起こしてもらうのです。
それでは、追伸にはどのような役割があるのか気になると思いますが、追伸はセールスレター特有の機能を持ったパートですので、後ほど詳しく解説していきます。
このように、キャッチコピーに必要な情報、ボディコピーに必要な情報、クロージングコピーに必要な情報、追伸に必要な情報をリサーチして、集めた情報をそれぞれのパートに当てはめていけば、セールスレターは完成するようになっているのです。
キャッチコピー(ヘッドライン)の役割
それでは、まずキャッチコピーの役割を学んでいきましょう。先ほども書きましたが、キャッチコピーの役割は見込み客の注意をひくことです。
上の図に「キャッチコピーの役割は見込み客の注意をひいて、セールスコピーを読ませること。ベネフィットとニュース性のどちらかを訴求する」と書きましたが、キャッチコピーの役割は一つだけです。
つまりセールスコピーを読ませること。もっというと、キャッチコピーの下のボディコピーを読ませることが目的です。それ以外の役割はありません。
そしてキャッチコピーでは、ベネフィットかニュース性のどちらかを訴求すると上手くいきます。なぜなら、人が反射的に注意をひかれるのは、ベネフィットかニュースのどちらかだからです。
これは、セールスコピーライティングの長い歴史の中で、多くのコピーライターの経験則から導き出された答えです。そのため、キャッチコピーではベネフィットかニュース性を訴求するようにしましょう。
ニュース性を訴求するキャッチコピーの代表的なものは「新発売!」というものです。人は新しいものが好きですよね。人は本能的に新しさに反応するようにできているので、ニュース性が注意を引きます。
次にベネフィットですが、実はベネフィットには大きく2種類あります。それは、「苦痛を避けられる」ことと、「快楽を得られる」ことの2つです。
簡単な例を挙げると、借金を完済できるというのは、苦痛を避けられるというベネフィットですね。反対に、お金を儲けられるというのは、快楽を得られるベネフィットです。
実は、この二つはどちらもお金を手に入れられるという同じベネフィットなのですが、ポジティブな言い方とネガティブな言い方で訴求する方向性が変わります。
ポジティブとネガティブでは訴求力が変わるのか
ここで、ポジティブとネガティブということについて考えてみましょう。同じベネフィットでもポジティブに表現するのか、ネガティブに表現するのかで訴求力は変わるのでしょうか。実は変わります。ネガティブなメッセージの方が訴求力が強いのです。
なぜなら、ネガティブなメッセージは人の「痛み」に訴えかけるからです。苦痛を避けたいという感情は「痛み」と同じです。痛みを取り除くことができるなら、人は喜んでお金を払います。
すでに健康な人の「もっと健康になりたい」という感情よりも、重い病気を抱えている人の「病気を治したい」という感情の方が強いということは想像がつきますよね。
そのため「ニキビを治したい」「痩せたい」「薄毛を治したい」「借金を返済したい」、このような「痛み」を抱えている人にメッセージを投げかけた方が、反応が強くなるのです。
例えば、「英語を話せる人の共通点」というキャッチコピーよりも、「英語が話せない人の共通点」というキャッチコピーの方が反応率が高くなります。
他にも、「モデルだけが知っているダイエットの秘密」というキャッチコピーよりも、「一般女性が知らないモデルのダイエットの秘密」とした方が訴求力が強くなるのです。
そのため、ボクたちがベネフィットによるキャッチコピーを考える際には、どうにかしてネガティブな表現ができないかということを考える必要があります。そして、ほとんどのベネフィットはネガティブな表現が可能です。
また、キャッチコピー全体をネガティブな表現にする必要はありません。キャッチコピーの一部にネガティブな表現が入っているだけで、ターゲットとなる見込み客は注意をひかれます。
必ずネガティブな表現にしなければいけないというわけではありませんが、キャッチコピーを作る際には、ネガティブな方が人の注意を引きやすいということを心に留めておいてください。
売れるキャッチコピーの7つの型
それでは、キャッチコピーについてより具体的に解説していきます。
ここではキャッチコピーの7つの型を紹介します。これはブログ集客で有名なバズ部が、『10倍売れるWEBコピーライティング』という本の中で提案しているものです。
セールスコピーの過去のテスト結果から、反応の取れるキャッチコピーの型を7つに集約して紹介してくれています。そのため、7つの型のどれかに当てはめれば、反応の取れるキャッチコピーが作れるということです。
以下がキャッチコピーの7つの型です。
- 証言型:○○するだけで××になりました。
- 質問型:○○で、××できるって本当ですか?
- 提案型:○○で××する方法があるのですが……
- 断定型:私に○○をください。そうすれば、××になります。
- 限定型:○○で××したいあなたへ
- 教育型:○○するために、××する必要はありません。
- 予言型:もし○○しなければ、××になります。
それでは、順番に見ていきましょう。
まずは証言型です。これは、顧客が実際に証言しているかのように見せる型で、「○○するだけで××になりました。」という表現でキャッチコピーを作ります。
次に質問型です。これは、見込み客が質問しているかのように見せる型で、「○○で、××できるって本当ですか?」という表現でキャッチコピーを作ります。
3番目は提案型です。これは、あなたが見込み客に提案しているように見せる型で、「○○で××する方法があるのですが……」と表現します。
4番目は断定型です。これは、見込み客が○○すれば、××になると断定する型で、「私に○○をください。そうすれば、××になります」と表現します。
5番目は限定型です。これは、ターゲットを限定する型で、「○○で××したいあなたへ」と表現します。
6番目は教育型です。これは、見込み客に教えるように語りかける型で、「○○するために、××する必要はありません」と表現します。
最後は予言型です。これは、私の言う通りに○○すれば、××になると予言する型で、「もし○○しなければ、××になります」と表現します。
それでは、これらの7つの型を用いて、7つのキャッチコピーの例を見ていきましょう。
7つのキャッチコピーの例
ここでは例題として、実際に売れているFXトレード教材のセールスレターを参考に、「FX教材のキャッチコピー」を考えてみました。投資系教材の市場は激戦区なので、売れているセールスレターはコピーの参考になります。
証言型
FX初心者の私でも、たった3か月のトレードで毎月70万円を稼ぎ続けられるようになりました!
いい感じですよね。ちなみに、「FX初心者の」という部分がネガティブワードになっています。
質問型
たった3か月のFXトレードで、毎月70万円稼ぎ続けられるようになるって本当?
提案型
たった3か月のFXトレードで、毎月70万円稼ぎ続けられるようになる方法があるのですが……
断定型
私に3か月いただければ、FXトレードで毎月70万円稼ぎ続けられるようにしてみせます!
限定型
たったの3か月のFXトレードで、毎月70万円稼ぎ続けられるようになりたい初心者のあなたへ
教育型
FXで毎月70万円稼ぎ続けられるようになるために、3か月以上時間をかける必要はありません
予言型
3か月後、あなたはFXで毎月70万円稼ぎ続けられるようにになります
いかがでしょうか。7つすべてが注意をひくキャッチコピーになっていますよね。このように、初心者は7つの型のどれかを使うと反応の取れるキャッチコピーを作ることができます。
ボディコピーの役割
ここでは、ボディコピーの役割について解説していきます。ボディコピーはAIDAの法則の「Interest:興味」と「Desire:欲求」に当たる部分です。そのため、商品に興味を持ってもらい、欲しいと思わせるようなコピーを書かなければいけません。
セールスでは「魔法の薬 + 証拠」が最強だといわれます。魔法の薬とは、例えば癌(がん)の治療薬です。現在、進行した癌を完治させる薬はありません。しかし、癌が完全に治る飲み薬が売られていたらどうでしょうか。
あなたが癌を患っていたり、家族が癌にかかっていたら、当然興味を持ちますよね。癌で苦しんでいる多くの人が、そんな薬があったらすぐに調べると思います。
でも、本当にその薬で癌が治るのか疑いがありますよね。むしろ信じられないと思います。でも、すでにこの薬を飲んで1,000人の癌患者が完治したというデータを示され、実際にこの薬によって癌が治ったという人の話を聞くことができたらどうでしょうか。
そのような状況になれば、喉から手が出るほど欲しいと思うはずです。しかし、セールスマンはこの薬の値段は100万円で保険の適用外だと言います。あなたは買いますか?
きっと買いますよね。なぜなら癌が治らなければ最悪死を迎えるので、まさに命を救う薬だからです。100万円で完治するなら安いと考えるのではないでしょうか。
実際には、ここまで強力な魔法の薬となる商品を開発するのは難しいと思います。でも、ターゲットと商品がマッチしていれば、あなたの商品を魔法の薬に見せることは可能です。そして、ベネフィットの信憑性を支える証拠があれば、高額な値段でも簡単に販売することができるのです。
さて、前置きが長くなりましたが、ボディコピーでは次の3つを訴求します。それは、「ベネフィット」「約束」「証拠」です。
ベネフィットは、商品を購入することで得られる結果や変化を伝えるということです。癌の治療薬であれば、癌が完治し明日から病院の外で元気に生活ができるということになります。
約束は、商品を購入すればベネフィットを得られることを約束するということ。例えば癌の治療薬であれば、錠剤を一日一回、一か月間飲み続ければ、必ず癌が完治すると約束をするということです。
そして証拠は、ベネフィットが得られるという約束が本当かどうか証拠を示すということです。癌の治療薬であれば、患者のデータや感想を見せたりすることですね。
このように、ボディコピーではベネフィットと約束、そして証拠を訴求することにより、見込み客に興味を持ってもらい、商品を欲しいと思わせるのです。
証拠となる6つの要素
ボディコピーでは「ベネフィット」「約束」「証拠」の3つを書く必要がありました。
世の中には、ベネフィットと約束はしっかり書いてあるのに、証拠が弱いセールスコピーが多くあります。しかし、証拠が弱ければ、見込み客はあなたの言っていることを信じませんので、結果的に商品は売れません。そのため、リサーチ段階でしっかり証拠を集めておくことが大切です。
セールスコピーの証拠となる要素にはいくつか種類があります。それは、以下の6つです。
- お客様の声
- 有名人や権威者の推薦
- 商品デモ
- 商品や店舗・オフィスの綺麗な写真
- 経歴・実績
- TV・ラジオ・雑誌などマスメディアの露出
ただ、この中でも最も強力なのは「お客様の声」です。お客様の声は、マーケティング用語でテスティモニアルといいます。
現在はAmazonや食べログなどをはじめ、さまざまな業界でレビューサイトが流行っていますよね。なぜ人々がレビューを見たがるかというと、お店側の言うことを信じていないからです。反対にお客の感想には信憑性があると考えています。
実際に、レストランなどでも客の評価が高いお店は間違いがなかったりしますよね。そのため、お客様の声を常に集めるようにして、必ずセールスコピーにテスティモニアルを入れるようにしましょう。
しかし、まだ一人も顧客がいない場合にはどうするのかというと、テスト販売を行ってください。感想をもらうために知り合いなど一部の人に格安で商品を販売し、テスティモニアルを集めるのです。それからセールスコピーを書くといいと思います。
テスティモニアルの他にも、ベネフィットを支える証拠となる情報があれば、できるかぎり多く載せていきましょう。証拠が多ければ多いほど、見込み客の信頼を獲得できます。
クロージングコピーの役割
キャッチコピーで見込み客の注意をひき、ボディコピーで興味を持たせ、欲しいと思わせることができたら、次はクロージングコピーです。
クロージングコピーの役割は見込み客に今すぐ行動してもらうことです。見込み客に今すぐ行動してもらうためには、魅力的なオファーを提示しなければいけません。オファーとは、価格や割引、特典、保証、支払い方法、締め切りなどの取引条件全てのことです。
とくに「3日間限定」や「100個限定」などのデッドライン(締め切り)を設けることは、見込み客に今すぐ行動してもらうために外せない要素です。
※オファーについては以下の記事で詳しく解説していますので、一度目を通してみてください。
そこでクロージングコピーでは、魅力的なオファーを見込み客に提示し、Call to Actionを行います。
クロージングコピーでは、おあなたが提示できるオファーの内容を全て盛り込む必要があります。そして、重要なのがデッドラインです。デッドラインがないとCVRが下がるので、必ずデッドラインを伝えるようにしましょう。
また、CTA(Call to Action)も大事です。CTAとは、見込み客にとってほしい行動を具体的に言及することです。
例えば、購入ボタンを押して商品を注文してほしいのであれば、「今すぐ下の購入ボタンを押して、商品を受け取ってください」と書くということ。
「そんなこと言わなくても常識的にわかるだろ」と思うかもしれませんが、セールスでは言わないことは存在しないのと同じなのです。見込み客に少しでも考えさせてはいけません。必ずCall to Actionを行いましょう。
クロージングコピーで書く内容は、オファーの提示とCall to Actionの2つだと覚えておいてください。
追伸の役割
最後に、追伸の役割について解説していきます。
最初に追伸はセールスレター特有の役割があると書きましたが、追伸の役割とは、セールスレターを斜め読みする人にもオファーの内容を理解してもらうことです。
どういうことかと言いますと、セールスレターはほとんどの場合、上から順番に読まれません。あなたにも心当たりがあるかと思いますが、最初にキャッチコピーで注意をひかれた読者は、次にボディコピーやクロージングコピーを飛ばして、レターの一番最後の部分を読むことが多いのです。
なぜなら全て読むのが面倒くさかったり、先に価格を確認しようと思ったりするからです。
そこで、レターの最後に追伸を入れて、オファーの内容を端的に伝えることにより、読者をボディコピーやクロージングコピーに戻らせます。ボディコピーやクロージングコピーに戻ってもらえれば、オファーの詳細を確認してもらえます。
また、そこで強く興味をひかれれば、上から順番にじっくりとコピーを読んでもらえるかもしれません。そのために、セールスレターには追伸が必要なのです。
それでは、追伸にはどのようなことを書けばいいのでしょうか。
目的はオファーの内容を理解してもらうことなので、「商品のベネフィット」「特典」「保証」「デッドライン」をまとめて記載するといいでしょう。このあたりの内容を知れば、もっとしっかりボディコピーを読んでおこうと思ってもらえる可能性が高くなります。
他にも、「商品を手に入れられなかった場合の未来」を追伸で伝えているセールスレターもあります。「この商品を手に入れなかったら、あなたはそのベネフィットも手にできないので、今とまったく変わらない未来が待っているでしょう」というように煽るタイプのものです。
このような追伸も効果的ですが、基本はオファーの内容を理解してもらい、ボディコピーやクロージングコピーに読者を戻らせることだというのを忘れないでください。
以上、セールスレターの基本の型と、4つのパートについて学んできました。まずは基本の型を身につけるように心がけましょう。
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