セールスコピーライティングには型があります。そして、コピーの型はいくつかの公式に基づいてつくられているのです。セールスコピーの公式をコピーフォーミュラと呼びます。この記事では、コピーフォーミュラについて学ぶことができます。
まず、コピーフォーミュラとは何か、なぜ有効なのかを理解し、その後に代表的な3つのコピーフォーミュラ(AIDA、PASONA、QUEST)を解説します。最後に実際のセールスレターを事例に、具体的なコピーフォーミュラの使い方を学んでいきます。
目次
コピーフォーミュラとは
コピーフォーミュラとは、売れるセールスコピーを書くための公式です。セールスコピーライティングとは、決まった型に必要な情報を当てはめていく作業なのですが、その決まった型を作るのに活用できるのがコピーフォーミュラです。
最も有名で、すべてのコピーフォーミュラの基本となっているのが「AIDAの法則」。ここでは、AIDAの法則にプラスして、「PASONAの法則」と「QUESTフォーミュラ」という、世の中で最も活用されている3つのコピーフォーミュラを学んでいきます。
まず、すべての基本となるAIDAの法則について解説します。AIDAとは、100年以上前のアメリカで、セント・エルモ・ルイスという広告マンによって提唱された消費者の購買心理モデルです。彼はすべての消費者は次の購買心理プロセスに基づいて、消費を行うことをつきとめました。
「Attention:注意」 → 「Interest:興味・関心」 → 「Desire:欲求」 → 「Action:行動」
つまり、人はまず広告に注意をひかれ、次に商品に興味関心を持ち、それが欲しいと思い、そして、商品を買うというプロセスを経るということです。
言われてみれば当たりまえですよね。そのため、この心理プロセスに従ってセールスコピーを組み立てていけば、売れるセールスレターが書けるということです。
次に、PASONAの法則を説明します。
PASONAの法則は、日本のDRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)の第一人者である神田昌典さんが提唱したものです。神田さんはAIDAに基づいて、より消費者の購買心理を巧みに誘導する公式を導き出しました。それが次のプロセスです。
「Problem:問題」 → 「Affinity:親近感」 → 「Solution:解決策」 → 「Offer:提案」 → 「Narrowing down:絞り込み」 → 「Action:行動」
神田さんは、この流れでセールスコピーを組み立てると、最も商品が売れると考えているんですね。
最後はQUESTフォーミュラです。
QUESTフォーミュラは世界的に有名なダイレクト・レスポンス・マーケターのマイケル・フォーティンによって提唱されたコピーフォーミュラです。
QUESTは、次の5つのプロセスを経て消費者を購買へと誘導する枠組みです。
「Qualify:絞り込み・ターゲティング」 → 「Understand:理解・共感」 → 「Educate:教育・啓発」 → 「Stimulate:刺激・興奮」 → 「Transition:行動・変化」
後ほど、これら3つのコピーフォーミュラについて詳しく解説していきます。
コピーフォーミュラが有効である3つの理由
なぜコピーフォーミュラは有効なのでしょうか。それには、大きく次の3つの理由が考えられます。
- 人間の心理に基づいて作られている
- 一流のマーケターの経験と知見が盛り込まれている
- いちから考えるより簡単で効果的
まずは、人間の心理に基づいて作られていることが挙げられます。
AIDAの法則は100年以上前に提唱されたものですが、商品やサービス、人々の生活スタイルは変わっても、人間の深層心理は100年以上前から変わっていません。人が動くのは基本的に「苦痛を避ける」ためか「欲望を満たす」ためのどちらかです。
人間の根源的な欲求は100年前から変わりませんし、同じように購買心理プロセスも100年以上前から変わっていません。コピーフォーミュラは人間の購買心理プロセスに沿って文章を構成するので、効果が高いのです。
次に、一流マーケターの経験と知見が盛り込まれているという理由もあります。
神田正則さんのPASONAの法則や、マイケル・フォーティンさんのQUESTフォーミュラというのは、彼らの経験と知識を元に作られたものです。
彼らは一流のマーケターであり、同時に優秀なコピーライターとしていくつものセールスコピーを書いてきました。その中で、最も売れる文章の型というものを、経験の中で発見したのです。もちろん、それまでにかなりの思考錯誤があったはずです。
そして、最終的に辿り着いたのがPASONAでありQUESTだったのですね。すでに効果が実証されているので、使える型であるのは間違いないのです。
最後に、コピーフォーミュラを使えば、いちから考えて文章を構成していくより簡単にセールスコピーを書くことができます。
また、間違いなく素人が独自に考えたコピーよりも効果が高いはずです。先ほども書きましたが、コピーフォーミュラは長い歴史の中で効果が実証されてきたものなので、ボクやあなたが思いつく型よりも有効な可能性が高いのです。
だから、ボクたちがコピーを書く際は、これらコピーフォーミュラにしたがってコピーを作成していった方が速く書けますし、安全だといえます。
それでは次の章から、「AIDA」「PASONA」「QUEST」がそれぞれどのような型となっているのか、具体的に見ていきましょう。
AIDAの法則をマスターする
それでは、AIDAの法則を詳しく学んでいきましょう。
AIDAの法則が、その後に登場するさまざまな消費者行動モデルやコピーフォーミュラの基本となっています。そのため、この基本を押さえておくことがとても重要です。
Attention:注意
AIDAの最初のAはAttentionの頭文字Aです。Attentionとは注意という意味です。
つまり、最初に読者=見込み客の注意をひかなければいけません。なぜ最初に注意をひくことが重要かというと、当たり前ですが、コピーを読んでもらわなければいけないからです。
セールスライターには超えるべき3つの壁があります。「Not Read:読まない」「Not Believe:信じない」「 Not Act:行動しない」の3つです。
つまり、見込み客はセールスコピーを読まないし、信じないし、行動しないのです。そして、ボクたちはこれら3つの大きな壁を乗り越えなければいけません。
その最初の壁である「Not Read:読まない」という壁を突破するために「Attention」、つまり注意をひくことが重要なのです。
セールスレターでは、Attentionの役目をキャッチコピー(ヘッドライン)が担います。通常は見込み客の目に止まらないような広告でも、キャッチコピーがユニークだったりインパクトがあったりすれば、注意をひくことができ、本文を読んでもらえる確率が格段に上がるのです。
Interest:興味・関心
AIDAのIはInterestの頭文字Iです。Interestは興味・関心という意味です。
Attentionで注意をひくことができれば、次は興味・関心を持たせる段階になります。
見込み客が興味・関心を持つのは、どのようなときでしょうか? きっと、書いてある内容に共感したときではないでしょうか。
つまり、「そうそう、私もそう思ってた」といったように、共感を持たせることが大切です。見込み客の悩みや欲求に焦点をあて、「このような悩みってありますよね?」と言葉にしてあげるのです。
他にも、自分事として感じてもらうということも大切でしょう。「この話は私には関係ない」と思った時点で、見込み客はコピーを読むことをやめてしまいます。そのため、「これは私のために書いてあるのかも」と思わせなければいけません。
例えば、ダイエット商材のコピーであれば、「どうせ私には無理」と思われたらおしまいです。でも、「私にもできるかも」「私にも可能性があるかも」と思ってもらえたら、先を読み進めてもらえるでしょう。Interestのパートでは、このように相手の興味・関心をひきつけることを意識するのです。
Desire:欲求
AIDAのDはDesireの頭文字Dです。Desireは欲求という意味です。
Interestで見込み客の興味・関心をひきつけたら、次はあなたの商品を欲しいと思わせなければいけません。
Interestのパートで見込み客の悩みや欲求が浮彫りになっているので、「あなたの悩みを解決する方法があります!」「この商品ならあなたの悩みを解決できます!」あるいは「欲求を満たすことができます!」と伝えるのです。
3つの壁の2番目である「Not Believe:信じない」を超えるのはこの段階です。ベネフィットを約束し、その約束を果たせる証拠を示すことで、見込み客に信じてもらう必要があります。
最強のセールス手法は「魔法の薬 + 証拠」です。見込み客の悩みを解決する魔法の薬と、その薬に効果があるという証拠を提示できれば、見込み客に「買わせて!」と言わせることができます。
※「魔法の薬 + 証拠」はセールスレターのボディコピーで必要となる概念ですが、詳しくは以下の記事を参照してみてください。
Action:行動
AIDAの最後のAはActionの頭文字Aです。Actionは行動という意味です。
ここまでで、見込み客の注意をひき、興味・関心を持たせ、あなたの商品を欲しいと思わせることに成功しました。しかし、それだけでは見込み客は行動しません。つまり、あなたの商品を買わないということです。3つの壁の最後「Not Act:行動しない」をここで越えなければいけません。
最後に購入ボタンを押してもらえなければ、ここまで苦労してコピーを書いてきたのが無駄な努力となってしまいます。そのため、行動を起こしてもらうために、最後のひと押しをしなければいけません。
つまり、ここではCall to Action(コール・トゥ・アクション)を行います。「今すぐ買ってください」と書くということです。
でも、ただ買ってくださいと言っても見込み客は動かないので、なぜ今すぐ買わなければならないのか、その理由を伝えなければいけません。そこで重要になるのがオファーです。オファーとは見込み客に提示する取引条件全てのことです。
例えば、価格や割引、特典、保証、締め切りなどがあります。とくに、「魅力的な特典」や「返金保証」などを提示すれば、見込み客は購入しやすくなります。
そして最も重要なのがデッドライン(締め切り)です。デッドラインとは「3日間限定」や「30個限定」など、締め切りを設けることです。デッドラインが「今すぐ買わなければならない」最大の理由となります。
このようにAction段階では断ることのできない強力なオファーを提示して、行動に移させるのです。
※オファーについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ここまでで、「Attention → Interest → Desire → Action」の流れでセールスコピーを書いていけば、商品が売れるということが理解できたのではないでしょうか。
AIDAは100年以上前に考えられた概念ですが、今でも十分通用します。ぜひ、この流れを頭に刻んでください。
PASONAの法則をマスターする
次に、PASONAの法則を詳しく学んでいきましょう。
PASONAの法則は日本のダイレクト・レスポンス・マーケティングの第一人者である神田昌典さんが提唱したコピーフォーミュラです。
実は、PASONAの法則は1999年に初めて提唱されたものですが、2016年に神田昌典さん本人によって改定されて、現在は新PASONAの法則として知られています。ここでは、PASONAの法則=新PASONAの法則として解説していきます。
PASONAの法則は「Problem:問題」「Affinity:親近感」「Solution:解決策」「Offer:提案」「Narrowing down:絞り込み」「Action:行動」のそれぞれの頭文字をとったものです。一つずつ詳しく見ていきましょう。
Problem:問題
まず、「Problem:問題」です。ここでは、見込み客の悩みに焦点を当てます。
人の悩みには2種類ありますが、覚えていますでしょうか? そうです、欲求を満たしたいという悩みと、恐怖を避けたいという悩みです。このどちらかの悩みについて言及し、共感を示します。見込み客の潜在的な悩みを言語化してあげるのです。
例えば、かっこいい肉体を作りたい男性向けに筋トレ商材を販売する場合、次のように見込み客の悩みを浮き彫りにします。
「分厚い胸板やバキバキに割れた腹筋があれば女の子にモテるのはわかっているけど、筋トレってきついし、仕事が忙しくて時間もないですよね。今からたるんだ体をかっこいいマッチョなボディに変えるなんて、無理だと思っていませんか?」
Affinity:親近感
次に、「Affinity:親近感」です。ここでは、Problemで浮き彫りにした見込み客の悩みに共感して、読者に親近感を抱かせます。
例えば、次のように共感を示します。
「私も以前はぶよぶよのお腹に、男なのに垂れ下がった胸といっただらしない体で、女の子にモテるどころか、男友達の前でも裸になるのが恥ずかしかったんです」
ちなみに元々のPASONAの法則では、このAffinityの部分が「Agitation:煽動・あおり」という意味とされていました。例えば、「このままでは一生女にモテず、独身のまま人生が終わりますよ」といった風に、見込み客を煽るというように解釈されていたのです。
でも、現在は煽るよりも親近感や共感を示す方が効果が高いことが理解され、新PASONAの法則ではAffinityへと変化しました。
Solution:解決策
3番目は、「Solution:解決策」です。ここでは文字通り、解決策を示します。
「悩みを解決するには、こんな方法があります」「私もこの方法を使って解決できました」といったように、具体的な解決策を提示するのです。つまり、この段階で商品やサービスの紹介を行います。
例えば、『筋トレフォーミュラ』という名前の商品を扱っているのであれば、次のように解決策として商品を紹介するのです。
「この『筋トレフォーミュラ』にしたがって、毎日10分間だけ自宅で簡単な筋トレを行うだけで、3か月後には腹筋が割れ始めました。しかも、一般的に考えられている筋トレと違って辛いものじゃないので、無理なく続けることができました。そして、半年後には、なんと可愛い彼女ができたんです」
少し胡散臭いでしょうか(笑)。 でも、これが嘘ではなく本当に効果があるのであれば、見込み客は「私もやってみたい!」と思いますよね? そのため、この段階で悩みを解決できるという「証拠」を示すことも重要です。
Offer:提案
そして、Solutionの次に「Offer:提案」がきます。ここでは割引や特典、返金保証など、魅力的なオファーを提示します。実は、元々のPASONAの法則ではOfferという項目はなく、Solutionの二文字目の「O」としてSolitionとひとまとめにされていました。
しかし、現在はOfferの重要性がより認識されてきているので、独立した項目となったのです。
Narrowing down:絞り込み
Offerの次は「Narrowing down:絞り込み」です。絞り込みとは、誰もがこの商品を購入できるわけではないということを示し、条件を提示するのです。
例えば、「最低3か月間は文句を言わずにやり続けられる人だけ購入できます」といったように、精神的な内容で絞り込むのも一つの方法です。
他にも、数量の限定や期間の限定を設けて、「この機会にお申し込みいただいた人だけが購入できます」とする方法もあります。これはデッドラインを設ける方法ですね。誰でもいつでも買えるという状況はセールスにとって最悪ですので、しっかり絞り込みを行いましょう。
Action:行動
最後は、「Action:行動」です。ここではCall To Actionを行います。
つまり、「買ってください」「申し込みボタンをクリックして、資料請求をしてください」「購入ボタンをクリックして、クレジットカード番号を入力してください」といったように、見込み客にとってほしい行動を具体的に言及するのです。
最後の行動を読者任せにしてはいけません。「ここまでで伝えるべきことは伝えたし、ちゃんと購入ボタンも設置してあるんだから、あとは何も言わなくてもわかるよね」と考えてはいけないのです。
Call To Actionとは行動を呼びかけることです。見込み客にとってほしい行動をしっかりと具体的に呼びかけてください。そして、ここでも再度デッドラインに言及して「緊急性」をアピールすることで、成約率を高めることができます。
このように、「Problem → Affinity → Solution → Offer → Narrowing down → Action」という6つの流れを組むのがPASONAの法則です。
QUESTフォーミュラをマスターする
最後は、QUESTフォーミュラを学んでいきましょう。
QUESTフォーミュラは世界的なダイレクト・レスポンス・マーケティングの権威、マイケル・フォーティンによって提唱されました。AIDAの法則を補完するために作られたものだといいます。
QUESTフォーミュラは「Qualify:絞り込み・ターゲティング」「Understand:理解・共感」「Educate:教育・啓発」「Stimulate:刺激・興奮」「Transition:行動・変化」のそれぞれの頭文字をとったものです。
Qualify:絞り込み・ターゲティング
まず、「Qualify:絞り込み・ターゲティング」から見ていきましょう。Qualifyという単語には「資格を与える、適任とする」といった意味があります。
つまり、このセールスレターを読む資格がある、あるいは適任であると、最初に示してあげるということです。もっと簡単にいえば、見込み客を絞り込んでいるんですね。ターゲティングといえばわかりやすいと思います。
実は、QUESTフォーミュラが他のコピーフォーミュラと最も異なる箇所は、最初のQualifyの部分です。なぜなら最初にターゲットを絞り込んでしまうからです。
「このセールスレターは全ての人に向けて書いたのではなく、あたたに向けて書いたんですよ」ということを最初に書いてしまうのです。そのため、ターゲットから外れた読者にはまったく響きませんが、ターゲットに含まれる読者にとってはとても刺さるコピーになります。
ターゲティングの概念はマーケティングでも重要なものですので、最初にターゲティングをしてしまうQUESTフォーミュラの優れたところだといえます。
例えばQualifyでは、次のようにターゲティングします。
「30代になりオフィスワークが増え、気がついたらお腹周りに無駄な肉が付き、だらしない体になってきたあなた。バキバキに腹筋が割れた筋肉質で男らしい肉体を手に入れたいと思いませんか?」
このように、「30代」「オフィスワーク」「だらしない体」「男性」といったように、最初にターゲットを絞り込んでしまいます。
このように書くと、絞り込み過ぎて他の見込み客を取りこぼしてしまうのではと心配する人がいますが、それで問題ありません。
あなたのターゲットとする見込み客にだけコピーを読んでもらえれば、十分売上は上がりますし、それ以外は無視するというくらいに絞り込んだ方が、むしろ刺さるコピーが書けます。
Understand:理解・共感
Qualifyでターゲットを絞り込んだら、次は「Understand:理解・共感」です。このパートはPASONAの法則のAffinityと似ています。見込み客の悩みをあなたが理解していることを伝え、共感を示すのです。
例えば、次のように理解と共感を示します。
「私も20代の頃は何も気にしなくても太らなかったのに、30代に入ってから急に無駄な肉がつくようになりました。鏡の前に立って自分のだらしない体を見ると憂鬱な気分になります。運動をしようと思っても仕事で忙しいし、休みの日は普段の疲れからだらけてしまいます。結局何もせずに終わってしまい、罪悪感だけが残る日々を過ごしていました」
ここでは、読者に「わかるわかる」「私も同じ」と思わせられれば勝ちです。
Educate:教育・啓発
そして、3番目に「Educate:教育・啓発」を行います。何を教育・啓発するのかというと、あなたの商品やサービスについてです。
つまり、「あなたの悩みを解決できる方法があります!」と教えてあげるのです。そしてその方法が、あなたの商品であり、サービスなのだと教育します。
しかし、ただ「この商品があなたの悩みを解決します」といっても見込み客は信じないので、証拠を示さなければいけません。前にも登場した「魔法の薬 + 証拠」ですね。お客様の声や権威者の推薦など、証拠となる情報を示すのはEducateの段階です。
Stimulate:刺激・興奮
見込み客にうまくEducateできたら、4番目は「Stimulate:刺激・興奮」させます。ここでは、あなたの商品によって得られるベネフィットをできるだけ多く提示して、見込み客を興奮させるのです。
ここではベネフィットライティングを活用します。ベネフィットライティングとは、商品のスペック(特徴)をベネフィットに変換していくというテクニックです。
例えば、筋トレ教材のスペックとして「腹筋を6つに割ることができる」というのがあるとすれば、「腹筋が6つに割れるから、女子にモテるようになる」といったように、太文字で書いた部分がベネフィットになります。
※ベネフィットライティングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
例えば、ベネフィットライティングを活用して、次のようになるべく多くのベネフィットを提示します。
「この商品を使ってバキバキのかっこいい肉体に生まれ変わることで、今までうまくいかなかった合コンでも女子にモテるようになります」
あるいは「夏に好きな女性を海に誘ってかっこいい姿を見せれば、相手を振り向かせることができるかもしれません」「かっこいい肉体を手に入れることで自信がつき、仕事にも好影響が生まれます」
などといったように、あなたの商品から得られるベネフィットを数多く書き出し、見込み客を刺激して興奮させるのです。コツとしては、手に入れたい未来を疑似体験させるような、具体的でストーリーのある文章にして提示してあげると、より興奮度が高まります。
Transition:行動・変化
ここまでくると、見込み客は商品が欲しいという気持ちになっています。そこで最後に「Transition:行動・変化」させるのです。
ここはAIDAの法則やPASONAの法則の最後のActionと同じように、Call To Actionを行うクロージングパートとなります。
QUESTフォーミュラの場合はここで特典や割引、リスクリバーサル、デッドラインなどの断れない魅力的なオファーを提示して、最後の一押しをします。見込み客にしてほしい行動を言葉にして、確実に購入ボタンを押させるのです。
これがQUESTフォーミュラの流れです。しかし、マイケル・フォーティンはQUESTフォーミュラはルールではなくガイドなので、縛られる必要はないと言っています。
そのため、多少順番が前後してしまっても構いません。ただ、この流れにしたがってコピーを構成すれば、初心者でも売れるセールスコピーが書けるということを覚えておいてください。
QUESTフォーミュラの事例|再春館製薬所のドモホルンリンクル
それでは実際のセールスコピーを見ながら、代表的なコピーフォーミュラのひとつであるQUESTフォーミュラの事例を確認していきましょう。
DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)で大成功を収めた化粧品通販企業、再春館製薬所のフラグシップ商品である「ドモホルンリンクル」のランディングページを見ていきます。
上の画像はドモホルンリンクルのランディングページですが、LPアーカイブというサイトに掲載されているものです。LPアーカイブは、さまざまな企業のランディングページ、つまりオンライン広告をを集めたサイトです。では、ドモホルンリンクルのコピーを見ていきましょう。
まず、一番上の目立つ位置に、「シワ」「シミ」「毛穴」「40代の悩みのある肌にこそ、手応えを感じていただけるはず」とあります。
ここは、まさにQualify(絞り込み・ターゲティング)をしていますね。「シワやシミ、毛穴などの肌の悩みを抱えている40代女性のあなたに向けて書いています」ということを伝えているのです。
このセールスレターは文章の合間合間に都度「申し込みボタン」を設置していますが、ここでは一旦飛ばします。
次に、「40代になると、深まる3つの肌悩み」として、3つの肌の悩みに言及しています。
「ハリがなくなって、アイラインがうまく引けなくなる」「シミひとつで、見た目年齢が上がる気がする」「毛穴が開き、目立つようになった」と書いてあります。
ここはUnderstand(理解・共感)の部分といえます。「40代の肌ってこんな悩みがありますよね」ということを言語化して悩みに焦点をあてているんですね。
さらに読み進めていくと、「そこで、年齢肌のお悩みには、ドモホルンリンクル。穏やかなお肌を保つ力を引き出します」とEducate(教育・啓発)に移ります。
ハリ・小ジワ対策には「クリーム20」、シミ対策には「美活肌エキス」、毛穴対策には「泡の集中パック」が効くんですよ、と教育しているのです。
その後に、化粧品8種類の無料お試しセットを全てを並べて、「上の3つだけではなく、他にも5つの化粧品があります」と、見込み客を刺激しています。
ここがStimulate(刺激・興奮)の段階です。「化粧落としジェル」「洗顔石鹸」「保湿液」「保護乳液」「光対策素肌ドレスクリーム」もついてきて、これら8点全てが無料で試せるんですよと、ベネフィットを訴求しているのです。
最後に、お客様の声を紹介しています。これはEducateの段階で紹介することもあれば、このように最後のTransition(行動・変化)のところに持ってきて、最後の一押しとすることもあります。
そして、「無料お試しセットのお申込みはこちら」と申し込みボタンを押させるといった流れになっています。
DRMの超一流企業でも、このようにQUESTフォーミュラの流れに沿ってセールスコピーを組み立てているのです。そのため、あなもQUESTを使ってコピーの流れを作れば、売れる導線を作ることができます。
以上、コピーフォーミュラを解説してきました。この記事で紹介した3つのコピーフォーミュラは、すべて今でも通用するものなので、ぜひここで覚えておいてください。
コメントを残す