DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)におけるリード獲得は、有料で集める方法と無料で集める方法に大別できます。この記事では無料でリードを集める施策であるコンテンツマーケティングについて学ぶことができます。
ここでは、コンテンツマーケティングとは何か、オウンドメディアにはどんな媒体が適していて、どのような方法でリードを獲得していくのかを、具体的に解説していきます。
目次
コンテンツマーケティングは無料で質の高い見込み客を集める方法
コンテンツマーケティングは無料でリード(見込み客)を集めるために行う施策です。通常、集客といえばお金をかけて広告を打つのが一般的ですが、ブログやポータルサイト、YouTube、ソーシャルメディアを活用することにより、無料でリードを集めることができます。
広告とコンテンツマーケティングの違いは、お金をかけてリードを集めるか時間をかけてリードを集めるかです。つまり、広告はお金をかけて時間を節約する方法で、コンテンツマーケティングは時間をかけてお金を節約する方法という違いがあります。
このように、コンテンツマーケティングのデメリットはリードが集まるのに時間がかかるということですが、メリットとしては無料でリードを集められることです。
DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)の本質を示す2つの指標にCPOとLTVがあります。CPOは顧客一人を獲得するのにかかる費用のことですが、儲けを出すにはCPOを下げることが重要です。
コンテンツマーケティングを活用すれば無料でリードを獲得できるので、CPOを下げることに貢献します。ですから、あなたのビジネスにコンテンツマーケティングを取り入れれば、間違いなく収益が大きくなります。
また、コンテンツマーケティングによって獲得したリードは質が高いという特長があります。なぜなら、ブログなどのコンテンツによってすでに教育されているからです。そのため、時間がかかったとしても取り組む価値のある施策であることは間違いありません。
※CPOとLTVに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
コンテンツマーケティングの定義とは
それでは、コンテンツマーケティングとは具体的にどのようなものかということを考えていきましょう。
まず、コンテンツマーケティングの定義を確認していきます。アメリカのコンテンツマーケティング協会では、コンテンツマーケティングを次のように定義しています。
コンテンツマーケティングとは、適切で価値ある一貫したコンテンツを作り、それを伝達することにフォーカスした、戦略的なマーケティングの考え方である。見込客として明確に定義された読者を引き寄せ、関係性を維持し、最終的には利益に結びつく行動を促すことを目的とする。
少し難しいので、もう少し簡単に要約してみます。
- コンテンツマーケティングとは、魅力的なコンテンツを作り伝えることにより、見込み客を集め、信頼関係を築き、収益を上げていく施策
これがコンテンツマーケティングの基本的な考え方です。コンテンツマーケティングで見込み客を獲得する流れを簡単に説明すると……
- ブログなどのウェブサイトを作る
- 有益な記事コンテンツを書く
- 記事を読むために読者が自社のサイトに集まってくる
- 読者に無料オファーを提供する
- 読者が無料オファー目当てでメルマガなどに登録する
このような流れになります。コンテンツマーケティングの他にもインバウンドマーケティングやSEOといわれたりしますが、ほとんど同じような意味だと思ってもらって問題ありません。
SEOもコンテンツマーケティングの一部
ちなみにSEOとはSearch Engine Optimizationの略で、日本語で検索エンジン最適化といいます。つまり、GoogleやYahooなどで検索された際に、自社のサイトを上位に表示させる施策のことです。このSEOもコンテンツマーケティングの一部です。
SEOでは、まず見込み客が検索するキーワードを使いコンテンツを作ります。見込み客は自身の悩みを解決するために情報を探しているので、Googleなどで特定のキーワードで検索をします。そして、あなたのコンテンツが見込み客の悩みを解決できるようなものであれば、記事を読んでもらえるでしょう。
だから、見込み客の信頼を勝ち取るためには、見込み客の役に立つコンテンツを作る必要があります。見込み客が120%満足するコンテンツを作り、信頼を勝ち取るのです。
以上が、コンテンツマーケティングの概要です。
オウンドメディアには3種類ある
コンテンツマーケティングを行うにはオウンドメディアを持つ必要があります。オウンドメディアとは、言葉通り自社で保有するメディアのことです。
具体的にはブログやポータルサイトのことを指します。企業概要や株主情報などが載っているコーポレイトサイトもオウンドメディアですが、コンテンツマーケティングでいうオウンドメディアとは、コンテンツを載せる、つまり見込み客が読みたいと思う記事を載せるメディアのことです。
そして、ここではオウンドメディアとして、ブログ、ポータルサイト、YouTubeの3つについて見ていきたいと思います。
オウンドメディア1:ブログ
まず、ブログは最もポピュラーなオウンドメディアです。芸能人などもアメブロなどで、自身のブログを運営している人が多いですよね。しかし、ボクたちがブログを運営するときに気をつけなければいけないのは、無料のブログサービスを使わないということ。
確かに、アメブロなどの無料ブログサービスは、誰でも簡単に始められるのでとっつきやすいと思います。でも、アメブロがサービスを停止したり規約の変更をしたりして、ブログを自社のビジネスに使えなくなったら、それまで作ってきたものが全て台無しになってしまいます。
オウンドメディアは資産です。長い時間をかけて築いていく資産なのです。そのため、その資産を他人に預けている状態は非常に危険だといえます。常に自分でコントロールできる状態に置いておかなければなりません。
ですので、ブログを作る際は必ず自分でサーバーを契約し、独自ドメインを取得してブログを作っていきましょう。現在はWordPressを使えば、初心者でも比較的簡単に独自でブログを構築することが可能です。
オウンドメディア2:ポータルサイト
次にポータルサイトについて説明していきます。ポータルサイトとは、簡単に言ってしまえば、All aboutのようなサイトのことです。さまざまな記事をカテゴリーごとに分けて、トップ画面から探しやすくしているサイトのことです。
例えば、All aboutのサイトを見てみましょう。
このようなかたちで記事がカテゴリー分けされていて、読者が記事を探しやすくなっています。カテゴリーをクリックすると記事ページに遷移します。
ただ実は、ブログでもこのような構成を作れるので、ブログと明確な違いはありません。でも、サイトの構成上それぞれの特性がありますので、ブログとポータルサイトの違いは後ほど詳しく説明していきます。
また、ポータルサイトもブログ同様、自身でサーバー契約と独自ドメインを取得する必要があります。
オウンドメディア3:YouTube
最後にYouTubeです。YouTubeはあなたも馴染みがあるメディアだと思います。YouTubeではYouTubeチャンネルを作ることによって、YouTube内に独自のメディアを作ることができます。
流行りのYouTuberなどは、視聴者に自身のYoUTubeチャンネルへの登録を促していますよね。チャンネル登録をしてもらえれば、自分の動画がユーザーから見つけられやすくなるからです。
しかし、YouTubeは完全なオウンドメディアとは言えません。なぜなら、媒体をYouTube側に握られているからです。自身のコンテンツを他社に握られているという状態はリスクがあるので、YouTubeは準オウンドメディアと言っていいでしょう。
つまり、メインとなるオウンドメディアはブログかポータルサイトになります。
また、Facebookページなどのソーシャルメディアは、オウンドメディアではないのか気になると思いますが、結論としてオウンドメディアにはなり得ません。
なぜなら、GoogleやYahooの検索で上位表示されないからです。SNSはあくまでSNS内で完結するように設計されているので、SEO対策ができません。そのため、コンテンツマーケティングを行う上でのメインの媒体とはならないのです。
ブログとポータルサイトの違い
それでは、次にブログとポータルサイトの違いを解説していきます。
ブログの特徴
まずブログですが、ブログはフロー型のメディアと言えます。フロー型とは記事が追加されるたびに過去の記事が下に流れていき、最新記事がトップになるように設計されたメディアです。
だから、ブログのトップページには常に最新記事がきていますよね。そのため、ブログはニュースや流行を追う記事に向いています。記事が時系列に表示されるので、その日のニュースや最新のトレンドなどを定期的に更新していくのに適したメディアです。
また記事タイプは、ノウハウ記事以外にもニュース記事やケーススタディ記事を書くことができます。例えば、英語学習に関するブログの場合、メインの記事タイプは「TOEIC頻出単語100選」とか「楽しく映画を見ながらリスニング力を改善する方法」などのノウハウ記事になるのではないでしょうか。
しかしそれ以外にも、例えば、TOEICの出題形式に一部変更が生じた場合に、それをニュース記事として書くことができます。またTOEICを受けてみて、自身の結果や感想をシェアすることで、ケーススタディ記事にすることもできるのです。
ポータルサイトの特徴
一方、ポータルサイトはストック型のメディアと言えます。ストック型とは記事が追加されてもトップページは変わらず、カテゴリーの下に記事が増えていくタイプのメディアです。
だから記事は時系列に表示されません。そのため、ポータルサイトは流行り廃りのない分野に向いています。例えば、英語の学習法や筋トレの方法など、昔も今も将来も、本質的には変わらない分野が向いているのです。
また、記事タイプはほとんどがノウハウ記事です。記事が時系列に表示されないので、すぐに情報が古くなるニュース記事やケーススタディ記事はあまり適していません。
また、ここでボクが言っているポータルサイトとはAll aboutのような巨大なサイトのことではなく、専門ポータルサイトのことです。専門ポータルサイトとは、ある分野にフォーカスして、その分野に関する記事だけを掲載していくポータルサイトのことです。
それでは、具体的にブログとポータルサイトのそれぞれの事例を見ていきましょう。
まずブログですが、Hubspotのブログを見てみましょう。Hubspotはマーケティングツールを販売している企業ですが、自社のマーケティング活動としてブログにとても力を入れています。
実際にサイト上の画像をクリックしてHubSpotのブログを見てもらえるとわかりますが、トップページには最新の記事が並び、導入事例などのケーススタディ記事も書かれています。
次に、ポータルサイトを見てみましょう。
このポータルサイトは「ネイティブ英語のススメ」という記事ですが、トップページには英語学習についてのさまざまなカテゴリーがあります。カテゴリーの下には、さらに多くの記事が置かれているという構造です。
このように、ブログとポータルサイトは、それぞれに特性があります。あなたのビジネスの分野と2つのオウンドメディアの特性を考えて、相性のいいメディアを選んでいきましょう。
迷ったらブログがおすすめ
あなたのビジネス分野がどのようなものかわからないので、一概にどちらが適しているとは言えませんが、どちらか迷ったらブログをおすすめします。
なぜなら、ブログの方が制作のハードルが低いからです。ポータルサイトはある程度記事の量がたまらないと、見栄えが悪く読者に良い印象を与えられません。でも、ブログは作り始めて数記事書き上げれば、見た目に違和感のないメディアとなるからです。
また、ノウハウ記事以外にもニュース記事やケーススタディ記事を書くことができるので、記事の選択肢の幅も広くなります。
それに途中でポータルサイトにしたければ、記事がある程度たまった段階でカテゴリー分けをして、トップページのデザインを変更すれば、ポータルサイトに変更できるのです。そのため、はじめてオウンドメディアを構築する場合はブログをおすすめしています。
それに、実は読者がトップページにランディングする割合は高くないのです。トップページを経由せずに個別の記事にランディングすることがほとんどですので、特別なこだわりがない限りブログで問題ありません。
YouTubeは準オウンドメディアとして活用する
次にYouTubeについてもう少し説明していきます。先ほどYouTubeは準オウンドメディアだと書きました。なぜなら、オウンドメディアとしての機能は果たすけれども、完全に自社で保有できるメディアではないからです。
それでは、なぜFacebookページなどのソーシャルメディアはオウンドメディアとしての機能を果たさず、YouTubeはその機能を果たせるのでしょうか。それは、YouTubeがGoogleの子会社であることと関係しています。
もしかしたら知っているかもしれませんが、実はYouTubeは昔Googleに買収され、現在はGoogleの子会社なのです。そのため、YouTubeの動画はGoogleの検索エンジンに反映されます。
FacebookやTwitterなどの他のソーシャルメディアはGoogleの検索にひっかかりにくいのですが、YouTubeは普通に検索結果の上位に入ってきます。
SEOではGoogleの検索エンジンが重要です。なぜなら、Yahooも裏ではGoogleの検索エンジンアルゴリズム使用しているので、日本では実質Googleの検索エンジンが90%以上のシェアを持っているからです。
そのため、YouTubeの動画は検索結果の上位に表示させることができます。実際に、Google側も検索結果として動画がふさわしいと判断した場合には、YouTubeの動画を上位に表示させているようです。
そして、YouTubeは現在、世界第2位の検索エンジンとなっています。最近はオンラインで動画を見る習慣ができているので、ユーザーがYouTubeに滞在する時間も長いのです。これからは、世界的にもっと動画コンテンツが増えていくでしょう。
当然、YouTubeは動画と相性がいいので、あなたが動画コンテンツを活用してコンテンツマーケティングを組み立てていくことを考えているのであれば、YouTubeは外せない選択肢となるはずです。
しかし何度も言いますが、YouTubeは自社で保有できないメディアですので、ブログやポータルサイトを中心のオウンドメディアとして育てていき、YouTubeは動画専用の準オウンドメディアとして活用していきましょう。
ソーシャルメディアは記事の拡散に活用する
コンテンツマーケティングにおけるソーシャルメディアの立ち位置はメインの媒体ではありません。あくまでオウンドメディアを補完する役割として活用します。
それでは、ソーシャルメディアはどのように活用するのでしょうか。結論としてソーシャルメディアはオウンドメディアに投下した記事を拡散するために使います。
例えば、ブログに新しい記事を書いたとしたら、FacebookやTwitter、Instagramなどに、記事のリンクを貼って投稿するのです。簡単な記事の説明をつけて、ブログを更新したという告知を行います。
そして、SNS上であなたの記事を知った人にブログに訪問してもらい、無料オファーをしてメルマガに登録してもらうのです。
これがコンテンツマーケティングでのソーシャルメディアの役割です。
間違っても、ソーシャルメディアをメインのメディアとして扱わないでください。一生懸命Facebookに記事を書いても、Googleの検索にひっかからないので意味がありません。そうではなく、SNSではブログやポータルサイトに掲載した記事の拡散を狙っていくのです。
コンテンツ制作の6つの指針
コンテンツマーケティングでは、どのような記事を制作すればいいのでしょうか。一昔前は、記事の質が低くても、量を出せばSEOで上位表示されるという時代がありました。しかし、現在はコンテンツは量より質です。質の高い記事でないと、Googleから評価されません。
そのため、記事制作ではたくさんの記事を書くことよりも、質の高い記事を1つ制作することを考えましょう。
そこで、以下にコンテンツ制作の6つの指針を示します。
- ホワイトハットSEO
- Googleは出し抜けない
- 包括的な内容
- ユーザーがそこで検索をやめる
- 年単位の時間をかける
- ロングテールを狙う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ホワイトハットSEO / Googleは出し抜けない
まず、ホワイトハットSEOを心がけましょう。ホワイトハットSEOとはGoogleが推奨する検索ルールに従い行うSEOのことです。
先ほども書きましたが、昔は内容の薄いペラページを量産し、リンクを貼り合うことでSEOの効果が得られました。でも、現在はそのようなペラページは逆にページランクを下げてしまいます。
Googleはユーザーの役に立つ記事を上位表示させます。あなたがGoogleよりも賢くなければ、Googleを出し抜くことはできません。そのため、不正をしようと考えずに、ユーザーの役に立つ記事を作ることだけを心がけましょう。
包括的な内容 / ユーザーがそこで検索をやめる
記事の内容は、包括的なものがいいと思います。なぜならGoogleに好かれるコンテンツはユーザーがそこで検索を辞める記事だからです。
例えば、あなたが糖質ダイエットに興味があり、「糖質ダイエットの効果」についてGoogleで検索しているとしましょう。そして、ヒットしたいくつかの記事を読みます。
すると、糖質ダイエットがなぜ効果があるのかという理由が書かれた記事や、具体的なやり方が書かれた記事、実際にやってみた事例が書かれた記事など、さまざまな記事がありました。
しかし、糖質ダイエットとはそもそも何なのか、なぜ効果があるのか、具体的な事例はどんなものか、どのように行えばいいのかといったことが全て包括的に書かれた記事がありません。そのため、あなたは複数の記事を読まなければ、糖質ダイエットの全体像を把握することができなかったのです。
でも、上記の内容が全て書かれた記事が一つあれば、あなたは複数の記事を読まずに、その記事だけを読んで糖質ダイエットについての検索をやめるのではないでしょうか。そのような、ユーザーがそこで検索をやめるような包括的な内容が書かれた記事がGoogleに好かれるのです。
そして、このような記事をピラーページといいます。コンテンツマーケティングでは、ピラーページを作る必要があります。
年単位の時間をかける
ブログやポータルサイトは年単位の時間をかけて育てていきます。SEOは記事を書いてすぐに効果が上がるものではありません。質の高い記事であっても、時間をかけてじわじわと上位に表示されるようになります。
そのため、コンスタントにリードを取得できるようになるには、1年はかかると思っておいた方がいいでしょう。また、記事は量より質ですが、されど量も必要なのです。逆説的な言い方ですが、量を書くことによって、質の高いページを作ることができるようになります。
だから、質の高いページを競合より多く制作し、1年後に月間10万PVを稼ぐようなパワーサイトを作ることを目標としましょう。
そして最後に、コンテンツマーケティングではロングテールSEOを意識します。ロングテールSEOはとくに重要な概念なので、詳しく解説していきます。
ロングテールSEOとは
ロングテールSEOとは、検索ボリュームの少ないキーワードを幅広く攻めていくことによって、結果的にたくさんのユーザーを獲得していくというSEOの戦略です。
上の図を見てもらうと、一番左の「Fat head」と書かれた部分が最も検索数の多いキーワードで、全体の18.5%を占めます。Fat headとは太った頭という意味です。
次に、Fat headより検索数は落ちますが、それでもそこそこのボリュームがある「Chunky middle」書かれた部分がミドルキーワードで、全体の11%を占めます。Chunky middleとは分厚い真ん中という意味です。
最後に、オレンジ色の細長くなっている検索数の少ないキーワード群が「Long tail」です。Long tailキーワードは検索トラフィック全体の70%を占めます。Long tailとは長い尻尾という意味ですが、オレンジ色の部分が長く伸びた尻尾のように見えることから、ロングテールといわれます。
そして、ボクたちが狙っていくべきはロングテールキーワードです。なぜなら、Fat headやChunky middleにあたるキーワードは競合が多すぎて、上位表示させるのが非常に難しいからです。
それよりも、検索数は少ないけれど、競合も少ないキーワードでたくさん上位表示させた方が、結果としてユーザーをたくさん獲得できます。
話が少しそれますが、ロングテールはオンラインだから実現できる手法なのです。例えば、実店舗であれば、商品を置けるスペースが限られているので、Fat headにあたる上位20%の売れ筋商品しか店頭に置けないという制約があります。
しかし、オンライン上ではスペースの制約がないので、一部の人にしか需要のない商品でも販売可能です。例えば、Amazonでは一部の人にしか人気のないニッチな商品が売上全体に大きく貢献しているといいます。
話を戻しますが、そのためロングテールSEOではニッチなキーワードを狙ってコンテンツを制作していくのです。
例えば、「筋トレ」というビッグキーワードがあります。これはFat headにあたるキーワードです。「筋トレ 背筋の鍛え方」という組み合わせはミドルキーワードで、Chunky middleにあたります。
そして、「筋トレ 背筋 デッドリフトのやり方」という組み合わせがロングテールキーワードです。筋トレに興味があり、なおかつ背筋を鍛えたいと思っている人で、とくにデッドリフトのやり方を知りたいというニッチな需要に対応した記事を作るということです。
SEOに強い理想的なサイト構造とは
そして、ロングテールSEOではサイト構造に気をつけなければいけません。
まずトップページがあり、その下にカテゴリーページA、カテゴリーページBがあります。さらにその下にカテゴリーAの記事1、カテゴリーAの記事2、カテゴリーBの記事1、カテゴリーBの記事2というように実際の記事がくるようにするのです。
サイトを作る際は、このような3層構造にします。なぜなら、ビッグキーワード、ミドルキーワード、ロングテールキーワードのそれぞれが、サイトのトップページ、カテゴリーページ、記事ページに対応するようにさせるためです。
例えば、先ほどの英語のポータルサイト「ネイティブ英語のススメ」例に考えてみましょう。
トップページは「ネイティブ英語のススメ」というタイトルがきています。その下に「英語を学ぶ心構え」というカテゴリーページがあり、さらにその下に「英語を楽して簡単に身につけることができない本当の理由」という記事ページがくるという構造です。
- トップページ
↓
- カテゴリーページ
↓
- 記事ページ
実は、このような3層構造のメディアはユーザービリティが高いので、Googleにも好かれます。オウンドメディアを作る際には、ロングテールキーワードを意識して、3層構造でメディアを構築するようにしましょう。
無料オファーを制作してリストを取る
次は、無料オファーについて説明していきます。無料オファーとは文字通り、見込み客に無料で提供するものです。
ブログなどのオウンドメディアに見込み客が訪問した際には、メルマガに登録してもらうために無料オファーを渡します。そのためボクたちは、商品以外にも無料オファーを制作しなければなりません。
無料オファーはリードマグネットとも呼ばれます。リードを獲得するために見込み客をひきつける磁石の役割をするものという意味です。
無料オファーの制作で気をつけることは、有料級のものをプレゼントするということ。無料だからといって価値の低いものを渡してはいけません。現在はリード1件につき1,000~3,000円ほどの価値があります。
つまり、見込み客がメルマガに登録するということは、彼らがメールアドレスを売っていると言い換えられるのです。ボクたちは彼らが売るメールアドレスを数千円払って買うこともできますが、現金の代わりに無料オファーを渡すことでメールアドレスをもらうこともできます。
そのため、見込み客がメールアドレスをあげてもいいと思えるくらい価値の高い無料オファーを制作しなければいけません。
有料で販売していた商品を無料で配るというのも一つの手です。実際に値段のついていたものをタダでもらえるのであれば、見込み客も喜んでメルマガに登録してくれるでしょう。
無料オファーは物理的なモノでもいいのですが、物理的な製品は原価がかかるので、無料で渡すのは現実的に厳しいです。そのため、デジタルコンテンツが最も適しています。具体的には、e-bookやWebinar(ウェビナー)がおすすめです。
e-bookのメリットとしては、時間や場所に関係なく、繰り返し読んでもらえることです。例えば、込み合った通勤電車の中で集中して動画を見るが難しくても、e-bookであればスマホで気軽に読んでもらえます。
Webinarのメリットは、見込み客に与えるインパクトが強く、成約率が高いことです。Webinarというのは、開催時間が決まっていて、特定の時間にPCやスマホからオンラインでセミナーを受けてもらうというもの。
ただ実際はWebinarも自動化できるので、事前に撮影しておいた動画を、ユーザーそれぞれが登録した時間に合わせて流すことができるのです。でもネットリテラシーの低いユーザーであれば、リアルタイムでWebinarが開催されていると考える人もいます。
動画を無料オファーにするのであれば、Webinar以外にも、ステップメールを使って毎日動画を配信していくという方法も可能です。
いずれの無料オファーを制作するにしても、有料級の内容でないといけません。コンテンツマーケティングとは、あなたが提供する全てのコンテンツで見込み客を教育することを目的にしています。
それは、ブログ記事もそうですし、もちろん無料オファーもです。無料であっても、有料であっても関係なく、コンテンツを制作する際は全力で質の高いものを作らなければいけません。
メルマガ登録後はステップメールでリードを育成する
ここでは、見込み客にメルマガに登録してもらった後の流れについて説明します。
メルマガではウェルカムシーケンスを作ります。ウェルカムシーケンスとはステップメールを活用して、リードナーチャリング、つまりリードの育成を行う手法です。実は、ウェルカムシーケンスも毎日見込み客にメールでコンテンツを送っていく作業ですので、コンテンツマーケティングの一部だといえます。
内容としては、教育コンテンツと雑談を交互に配信していき、約7~21日間をかけて、見込み客を教育し信頼関係を築いていくというものです。そして、ウェルカムシーケンスの最後ではフロントエンド(最初の商品)のセールスを行います。
コンテンツマーケティングでは、フロントエンドやバックエンドなどの商品自体もコンテンツマーケティングの一部だと考えます。つまり、商品を購入してもらった顧客には、商品というコンテンツでさらに教育を行い、次の商品の購買につなげていくのです。
※フロントエンドとバックエンドについては、以下の記事で詳しく解説しています。
コンテンツマーケティングの本質は問題を教育すること
最後に、コンテンツマーケティングの本質について考えてみたいと思います。コンテンツマーケティングとは、魅力的なコンテンツを作り伝えることにより、見込み客を集め、信頼関係を築き、収益を上げていく施策のことでした。
マーケティングの本質は見込み客に問題を教育することです。見込み客が商品を買う理由は、何かしらの問題を抱えていて、その問題を解決したいと思うから。問題とは欲求を満たすことであったり、恐怖から逃れることであったり、人によってさまざまです。
しかし、全ての人に当てはまることは、問題を認識していなければ商品を買わないということです。
医者が苦労せずに患者に薬を売ることができるのは、患者が自分の問題を認識できているからです。医者は職業柄、薬を売っているというイメージがないかもしれませんが、処方箋を書くということは薬を売っていることと同じなのです。しかも、処方箋は医者にしか書けないので専売特許といえます。
患者は体調が悪いと病院に行きますが、そこで医者は、患者が体調の悪い理由を「病名」という形で指摘します。つまり「あなたは○○という病気だから体調が悪いのです」と患者に問題を教育するです。
患者は自身の問題が認識できて少し安心するかもしれません。しかし次に考えるのが「じゃあこの病気を治すにはどうすればいいのか」ということです。
そこで医者はすかさず「○○という薬を飲めば病気が治るので、処方しておきますね」といいます。患者は病気が治るのであれば喜んで薬を買うでしょう。
これが病院のビジネスです。医者は苦労せずに薬を売ることができますが、医者は優秀なセールスマンなのでしょうか。
これにはYesともNoとも言えますが、医者が自身をセールスマンだと思っていないことははっきりしています。にもかかわらず、医者が簡単に薬を売ることができるのは、患者が自身の問題をはっきりと、そしてせっぱつまった状態であると認識できているからです。
つまり、見込み客が問題を認識できていれば、商品を売ることは簡単なのです。
コンテンツマーケティングは、ブログやYouTube、無料オファー、ステップメール、フロントエンド、バックエンドと、全てのコンテンツでユーザーに問題を教育していくプロセスです。
あなたのコンテンツに興味をもった見込み客に対して、医者が患者に病名を告げるのと同じように、問題を教育していきます。問題を完全に認識した見込み客は、それを解決するために解決策を求めるでしょう。そのタイミングでセールスを行えば、簡単に商品を売ることができます。
これがコンテンツマーケティングの本質です。
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